ウェブ接客プラットホーム「KARTE」は、通販事業者のための新しい解析ツールになり得るのか?

投稿日 : 2015/3/12(更新日 : 2017/2/4)

KARTE

ECサイトでリアル店舗の“接客”を実現する「KARTE(カルテ)」

株式会社プレイド(東京都渋谷区)が3月12日(木)に一般販売を開始した、ECサイトでリアル店舗のような接客を実現するサービス「KARTE(カルテ)」の支援事業者向けのカンファレンスに3月9日(月)に招待され参加してきました。ECサイトを運営している店舗にとっては、なかなか面白いツールでしたのでここでご紹介します。

カンファレンスでも説明していましたが、今後さらなる機能強化も視野に入れて開発しているとのことですので、あくまでもリリース前時点での考察になりますので予めご理解ください。

KARTEとは

面倒・難しいと感じていたサイトの改善を強力にサポート

独自開発の解析エンジンでWebサイトへの訪問者をリアルタイムに見える化することによって、 会員登録や購買に繋げるための働きかけ(ウェブ接客)を店舗での接客のように行うことが出来ます。(引用:KARTEサービスサイト

リアル店舗に例えると、お店に入店したお客様に合わせて案内が可能になるということ。初回来店客、何度も来店されている来店客、過去に何度も購入してくれている優良客など、お客様の属性ごとにアプローチを変えられるのがKARTEの特徴です。

要するにスマホなどで、スクロールせずに常時表示される広告バナー(フローティングバナー)をイメージすると分かりやすいのですが、不特定多数にただ表示するだけではなく、Cookie(クッキー)をもとに、WEBサイトの訪問者ごとに見せるバナーを変更することができるというもの。フローティングバナーだけでなく、ポップアップメッセージ、メール、アンケート(未実装)、チャット(未実装)など訪問者に合わせて必要な接客(アプローチ)を適切な場所、タイミングで実施することができるようです。

リアルタイムに訪問者の特徴などが可視化できるユーザーインターフェース

KARTE

氏名、年齢、デバイス、流入経路、購入経験の有無、購入回数、購入金額等がリアルタイムに表示されます。これらのユーザー属性がデーターベースに蓄積されるので、そのユーザーをグルーピングして、グルーピングした属性に対してアクションを起こすことができます。

Googleアナリティクスなどの解析ツールの場合、一人ひとり可視化するということは容易ではなく、既存のサイト会員情報と組み合わせることでユーザーの属性が明確に可視化できるのが一般の解析ツールとの違いです。

設定は簡単!タグを設置するだけ!

設定は簡単で、計測タグを自分のウェブサイトに設置するだけでリアルタイム計測がスタートします。ここはGoogleアナリティクスなどと一緒で簡単です。

運営者が使いこなせるかが導入のポイント

KARTEの導入費用は比較的手に取りやすい価格設定で、毎月固定の基本料は5,000円とウェブ接客の回数に応じた従量課金制となっている。つまり1人に対してウェブ接客(広告表示、メール、チャット等)を行ったら1円の接客料を支払うということ。

価格はとっつき易いのだが、果たして運営者側がこの高度な接客ツールを使いこなせるかがKARTEが世に広まるか否かである。つまり、いつ、誰に、どのように、何を、売るのかを考えて接客をしなければ効果は期待できないかもしれない。

運営者側は、今まで以上にマーケティングの概念とおもてなしの精神の合わせ技が大事になってくるとみている。クローズドβ版では、50社近いクライアントに導入してもらい解析を開始。とあるアパレルのECサイトの新規会員獲得が2倍以上に増えたという実績もあるそうだ。積極的に新しいテクノロジーを導入している企業にとっては、これまでとは違った新しいプロモーション活動ができるのは間違いないです。

ECサイトの運営を片手間で行っていたり、なかなか時間が割けないようであれば、導入しても使いこなせずに終わるということもあり得ます。

KARTEは、「来訪者数×成約率×客単価」でいうところの成約率アップが至上命題のツールです。いかに広告費をかけて集めた訪問者を接客で気持ちよく買い物をしてもらうことができるか、運営者側の腕次第で結果は大きく左右されることでしょう。「マーケティングが仕事です!」という人にとっては是が非でも使ってみたいです。

ウェブがリアルの接客に近づくことができるかもしれないという意味では、非常に楽しみなツールの一つです。インターフェースは誰でも使いやすいように分かりやすく設計されているので操作面で使いづらいというのは少ないかもしれませんが、これまで以上に訪問者を1UU(ユニークユーザー)として見るのではなく、1人の”人”として接客することが求められる時代にウェブも近づいてきたのだと考えさせられるツールです。

(画像出典:KARTE)

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KAWARAI KAZUKI
執筆者:KAWARAI KAZUKI

WEBマーケティングを通じて企業の成長エンジンとなるようサポートしているディレクターです。実現したい目的に対して、具体的なアクションプランをご提案いたします。